Saturday, December 11, 2010

マッチ売り (CITRON COMICS)

Author : 草間 さかえ
Publisher : リブレ出版
Publication Date : 2010-10-10

マッチ売り (CITRON COMICS)
>> 素敵です
草間さんの作品は(全て読んでいるわけではありませんが)、自分の中では時々しっくり消化できないこともあるのですが

この作品は画もストーリーも、作者の持ってらっしゃるものが上手く融合して、趣きも面白みもある

とても素敵な作品になっているように思います。

そういう意味でもこういう感動はBLでは久しぶりで、一人でも多くの方にと、つい拙いレビューを。

今まで草間作品に触れたことのなかった方も、一度お手にとってこの「旨み」を味わってみて下さい。

作者がこの物語をどう展開させてどう決着をつけられるのか、次巻を楽しみに気長に待ちます。


>> 昭和と終戦と報われない想いと“恋文”
過去と現在で2つの恋文が出てきます。


ある人物の過去において、彼の人生を狂わせることになった恋文。

存在するが故に、4人の人間の人生を変えることになる恋文。



始まりは、ある青年が募る想いを情熱的に書きあげた、二枚綴りの恋文。

偶然から一枚は彼の友人の手に、もう一枚は、彼が借りていた部屋の新たな入居者の手にわたり、そこから物語が動き出します。



文句なしに面白かったです!

物語的にも、時代的にも、非常に好みなのもありますけど、小道具(恋文)を使ってのストーリー構成が何より上手い。
キャラも脇役に至るまで、丁寧に描かれていて本当に良いのです。
購入後、何回も読み返してしまいました。
保存用にもう一冊買おうかな(笑)。


すっごくお薦めです!!
o(^-^)o


因みにコミックスの他に、11月発売の雑誌も買うと、小冊子等の全プレに応募できますよ♪
>> 終戦直後の退廃的な雰囲気をBLに活かした快作
皆さんが投稿されたレビューにいちいち頷いてしまいました。個人的にBLの範疇に関わらず、新鋭漫画家の一人として指折り

の注目株、草間さかえさん。嬉しいことに本年2冊目の新刊ということで狂喜しています。



この方の作品は漫画にも関わらず、良質の小説を読んでいる様な独特の文学色が強い処が特徴。過去の作品でもサーカス団

、骨董品店等意表を突いた洒脱な舞台を用意し、その設定を料理するのが非常に旨く毎回唸らされます。

今作も「終戦直後の日本」というBL作品ではちょっと思いつかない設定で物語が展開されますが、当時の退廃的な雰囲気と、登

場人物達の恋愛模様が絶妙にマッチしており、単に設定の斬新さだけで終わらせない物語の構築力は見事なもの。



物語の中心となる、廣瀬と花城、澤と有原という2組のカップル、中身を読まれればお分かりになると思いますが、お互いのカッ

プル間で純愛・嫉妬・支配欲といった多彩な感情が複雑に縺れ合います。廣瀬と有原はまだ恋愛感情に無垢な学生の身、花城

と澤は恋愛感情に屈折感を抱えた大人、感情的に惹かれながらも恋愛感情なのか単なる欲望の対象なのか当人達は今一自覚

が無さ気な処がもどかしくも次巻の展開を期待させる魅力の一つ。また今回他作品よりも絡みシーンの割合が高い気がしますが

、草間さんの独特のタッチで描かれる肉体同士の絡みは、さして露骨な描写は多くないにも関わらず不思議な扇情性を感じます。



脇を固める大学の教授も中年男独特の色気があり、ユーモアある人柄も手伝いなかなかの存在感。冒頭の闇取引のシーンや、

レトロな大学校舎・ビルの佇まい等物語の本筋以外の細かい拘りの描写を見つける楽しさもこの方の作品ならではです。



次巻はかなり先になりそうですが、それまで繰り返し本冊を堪能したいと思っています、お薦めです。



(草間さんの漫画と言えばカバーめくりの楽しみ。表面の花城と廣瀬の格好が…裏面ミニ漫画の廣・花の甘々ぶりも最高です!)

No comments:

Post a Comment