Wednesday, December 8, 2010

社長 島耕作(7) (モーニングKC)

Author : 弘兼 憲史
Total Page : 192
Publisher : 講談社
Publication Date : 2010-10-22

社長 島耕作(7) (モーニングKC)
>> 島達団塊世代は若者にビジョンを示せ!
ボリビアを舞台にした日本、韓国、中国の駆け引きについては、見事としか言いようがない。表紙裏の広兼氏のコメントにも大いに頷いた。しかし、私がここで提起したいのはP80〜P85の島たちのセリフである。日本の若者より海外の若者のほうが優秀で、もう日本人は雇用する必要はない…という会話が交わされていた。確かにそうかもしれないが、今の若者は物心ついたときから不景気で元気な日本を知らない世代なのだから、保守的、内向きになって当然である。島達の世代は日本の若者に希望も与えず、愛国心も郷土愛も滋養せず、未来へのビジョンも示さずに「日本の若者には未来がない、外国人を雇おう」と言うのはどうかと思う。しかもそれを政府のせいにして諦観しているのは無責任極まりない。島達団塊の世代は、日本を借金、ミーイズム、無気力無関心国家にした責任があるはずである。その責任を放棄して若者ダメ論を交わしていたのに違和感を感じた。

…それとも、これは広兼氏の罠なのかな?こういうシーンを描くことで日本の若者を奮起させてやろうという意図があるのだろうか?だとしたら大いに脱帽だが。
>> 映画顔負けの展開。物凄く緻密なストーリー設定には圧巻される
ボリビアからリチウム獲得に奔走する中国・韓国・そして島社長ひきいる日本企業による水面下での駆け引き。



実際のリアルタイムな世界経済を舞台にした漫画は、この社長島耕作シリーズ以外に無い。

下手な経済紙を読むよりよっぽど面白くて為になる。



裏ルートでボリビアに接近する中国。

そしてその動きを掴んで阻止しようとする韓国・日本。



特に韓国と日本のバーター取引のシーンなんか

「なるほど、あの伏線はこういうことだったのか」

と映画顔負けの展開で、非常に読み応えがあり面白かったです。



実際の世界経済を背景すると物語の展開など制約が多そうですが、

それでもここまで面白いストーリーをコンスタントに描き続けることができる著者は本当に凄いと思います。
>> 首相なんか目じゃない
首相なんか目じゃない



……すばらしいです。言葉が見つかりません。モーニング本誌で本作が表紙を飾ったときのアオリ文句です。



課長 島耕作 [VHS]という「黒歴史」がありまして、私はこの映画の予告編を劇場でみました。

「仕事、仕事、また仕事。ときどきセックス、また仕事」



予告編での女優さんのセリフです。大町の役です。さしずめ社長になったいまは、



「外遊、接待、また外遊。ときどきセックス。つぎゴルフ」



でしょうか。出世すると変わるものです。彼を目指して、みながんばりましょう。



首相なんか目じゃない!

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