Monday, July 4, 2011

だから僕は、Hができない。2 死神と選抜試験 (富士見ファンタジア文庫)

Author : 橘 ぱん
Total Page : 286
Publisher : 富士見書房
Publication Date : 2010-10-20

だから僕は、Hができない。2 死神と選抜試験 (富士見ファンタジア文庫)
>> リサラのコンプレックスを刺激する死神登場
 死神のリサラとキュールとの同居生活の嬉し恥ずかしイベントに一喜一憂している加賀良介の前に、新たな死神が現れる。それは、良介が大ファンだったグラビアアイドルのイリアだった。

 実は死神だったイリアとリサラは、死神学校時代のライバルにして、リサラから主席の座とレストール家のプライドを奪い去って行った憎い人物。しかも、二人の差を分けたのは胸の大きさだというから始末が悪いのだ。リサラのコンプレックスがそのまま、イリアに対する敵愾心につながって行く。

 そんな訳で、再会した二人の間に勝負が始まらないわけがない。プール開きの季節がら、水着コンテストで勝負をすることになるのだが、グラビアアイドルとして知名度の高いイリアに対し、転校してきたばかりのリサラは美人ではあるが知名度は低い。巻き返しを図るために色々と手を打つのだが、そのうちイリアは水着コンテストの審査員でもある良介に色仕掛けを迫って来て…。



 1巻に引き続き、妄想力いっぱい欲望いっぱいの仕上がり。でも、キュールに引き続き、それを上回る陰険さを備えたイリアの攻撃に、本来なら高飛車系のリサラは押されっぱなしで沈みっぱなし。だからこそその落差がイイのかも知れないけれど。

 いっぱい登場してきたヒロインたちと共に、次巻はどこへ向かうのか?ちょっと楽しみな気がします。
>> 久々に興奮した
2巻の表紙もいいですが、中の絵もすばらしいです。

正直適当にページ開いて読んだ文章が美少女文庫かと勘違いしましたが、

富士見で間違いなかったようです。

そんな感じで気楽に読めると思います。

超お勧めです。

3巻も期待です。

君に届け 1 (マーガレットコミックス (4061))

Author : 椎名 軽穂
Total Page : 205
Publisher : 集英社
Publication Date : 2006-05-25

君に届け 1 (マーガレットコミックス (4061))
>> 人気なので読んでみた
期待していた分、拍子抜けしまった。



唯一目新しいキャラ設定と思われる主人公も

10年前に出版された望月花梨の「笑えない理由」と酷似していて、

なおかつこちらの方が設定が生きていて面白かった。



可も不可もない普通の漫画でちょっと残念。
>> 爽子というキャラクターを発明したことが勝因。
実はこの漫画、けっこう危ない魅力に彩られていると思います。

それは、全校生徒、教師も含めての、

けっこうエゲツないイジメの構造を提示しているにも関わらず、

イジメられている当の本人がアッケラカンとしていることで、

なんだか読者が救われた気分になってしまうということ。

さらにイジメる側も「風早が言うならそうなんだろう」みたいな感じで、

実にアッケラカンと前言を撤回する風通しの良さがそこここに溢れています。

本当にイジメられた経験のある人間だったらとてもじゃないけど信じられない世界でしょう。

ただ、これは都合のよいフィクションだと割り切ることさえ出来れば、

爽子の健気さが、あまりにもいじらしくて、胸が締め付けられて、涙が止まらなくなるかもしれません。

このキャラクターの持つ存在感は、漫画史に残るほどの強度を誇るといってもおおげさではないと思います。
>> 素敵な漫画
全体に登場人物がみんな潔くて気持ちいいです。



大人になって遠く忘れてしまったプラトニックな恋を、

もう一度思い出させてくれる素敵な漫画です。

Sunday, July 3, 2011

娘TYPE (にゃんタイプ) 2010年 11月号 [雑誌]

Publisher : 角川GP
Publication Date : 2010-09-30

娘TYPE (にゃんタイプ) 2010年 11月号 [雑誌]
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詳細について 娘TYPE (にゃんタイプ) 2010年 11月号 [雑誌] ウィル早く早く来て.

世迷いごと

Author : マツコ・デラックス
Total Page : 240
Publisher : 双葉社
Publication Date : 2010-10-13

世迷いごと
>> マツコさんが書いたから、笑えて、救いがある本
よく売れているようなので、かなり辛辣な事が書いてあるのかな?と思っていましたが、結構マイルドな語り口でした。

あまり辛辣で、眉をひそめるような悪口のオンパレードではちょっと?という方には、おすすめしたいエッセイです。

出てくる有名人は、藤原紀香、沢尻エリカ、高岡早紀、川島なお美、谷亮子、黒木瞳、勝間和代etc。

マツコさんが何歳なのか、私は知りませんが、自分の目線で見た芸能人、有名人、アナウンサーに対する感じ方が、共感できる部分が多くて面白く読めました。

あまり悪口に徹底すると、品がなくなるので、少しエレガント?にまとめた、面白トークといったところ。

特に面白いと思ったのが、全てを手に入れる女・谷亮子・黒木瞳と高岡早紀、寺島しのぶの章でした。

この本の内容を女性が書いたら、すごく嫌な気分になるけれど、マツコさんだから笑えるし、まだ優しさがあるのだと思います。
>> ファンだけに残念
あまり時間をかけずに、サラリと書いたような内容でした。

人の好き嫌いやイメージで自分の意見を書いた内容で

週刊誌やニュースやウワサ話を織り交ぜながら

気になる存在、嫌いな存在などを辛口で切っていく内容でした。



もともと繊細で、人に気を使うマツコさんですから

辛口や皮肉なテレビ発言も、どこか愛情があったり

納得できる箇所が多くて楽しいのですが

今回の作品は、やや気を使いすぎで

本当の意味で、人の個性をズバズバと切っておられない

「嫌いというのは、どうでもいい よりマシでしょ」と

酷評の相手にフォローを入れるような文脈が多すぎで

やや拍子抜けしました。



たしかに気を使う人ではありますが

もっと遠慮なくズバズバと切り込んでもいいと思います。

その切り込みの鋭さが彼女の良さなんですから。



それだけにちょっと残念な作品でした。




>> 頭の良いオタク、マツコ・デラックス
 わたしが知る限りだと、70年代後半に登場したおかまの双子のおすぎとピーコは毒舌が売りでした。ちょうどその時期の前後して、歌手の仲尾ミエがTVのバラエティ番組で当時は衝撃的だった毒舌を吐き話題となりましたが、しばらくすると彼女は理由はわかりませんが毒舌を封印しました。それに乗っかったのが和田アキ子で彼女の毒舌は長きの間続き、その彼女も最近は歳のせいか丸くなって、以前のような有名人に対してのいちゃもんも陰をひそめた感があります。ナンシー関も同じように分析力もありましたが、やはり気に入らない有名人に対しての毒舌コラムだったように思えます。



 この本を読んで思ったことは、マツコさんは頭の良いオタクだなという事でした。そしてゲイならではの分析力、有名人の悪口の本というものは面白い反面、あまりハマってしまうと性格がゆがんでしまうような気がわたしはするのですが、この本に登場したどの有名人のコラムを読んでも、まさに「嫌いは好きの裏返し、ホントの嫌いはさようなら」というコピーそのもので、読んでいて不愉快にならないんですね。有名人を語るという歴史からみても、この本は斬新だと思いました。



■登場する有名人/広末涼子、福原愛、藤原紀香、蝦原友里&押切もえ、川島なお美、高岡早紀、中山美穂、今井メロ、女子アナ、滝川クリステル、高島彩、小谷真生子、谷亮子、黒木瞳、沢尻エリカ、寺島しのぶ、モーニング娘。、勝間和代、AKB48&西野カナ、叶姉妹

Saturday, July 2, 2011

つぼみ VOL.8 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

Author : 私屋カヲル 他
Total Page : 338
Publisher : 芳文社
Publication Date : 2010-10-12

つぼみ VOL.8 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)
>> 先のレビューのとおり
起承転結の「転」なのかもしれない。私の中でvol.8は、フラフラザワザワした感覚だった。ついでに今回はしつこく読み返したくなる程の私的ヒット作がなかった…(・ω・`)てことで☆4つ。次回に期待!どーでもいいけど大朋先生の大沢さんに違和感感じてたら髪の分け方が反対になってた。うん、それだけ。
>> ある意味で濃い内容です
今回、自分的にツボだった作品は「めとらば」「ゆめよりすてきな」「ロンサム・エコー 」そして1ページ目の加茂先生の女子同士のラブキスイラストです。特に「ゆめよりすてきな」は百合好きが妄想しそうな点を営業ОLお姉さんを軸にしたストーリーは見事にツボにはまりました。「めとらば」は小桃の一途な想いと、かずといずみ先生の可愛いイラストが百合的にもしっかりとマッチングしています。「ロンサム・エコー 」は、深く見ると女子高生×女性音楽教師の百合作品なのですが、カップリング的にはヨーコ×律子センセという感じです。この二人の今後の続きが更に読みたいですね。



それから、気になる読者の方は多いだろうと思いますが、小川ひだり先生の作品が思いっきり冒険しています。前回の作品が好きな作品だったので、今号の作品を見たときは本当に驚きました。思わず「マニア・フェチ系漫画」を間違って買ってしまったかと思いました。小川ひだり先生の作品は「おっぱい」など割とフェチ系に近い百合作品が多いですが、ついにここまで来るとは...。読者アンケートのハガキでどういう反応が返ってくるのかそちらの方が気になりますね。



どういう感じの作品かは読んでからのお楽しみという事で。




>> 記念すべき隔月刊化、その第一冊目。
 隔月刊化されると決まり、偶数月に発売されることとなった「つぼみ」

その一冊目がこのvol.8となるわけです。



 ページ数は、発売の間隔が狭くなったとはいえ、いつもとかわらず。

クオリティも今まで同様、百合専門の雑誌としては相変わらず高い部類に入ると思います。



 内容に関しましては、あまり詳しいことは言えませんが

前から続いている物語に関しては、私的には起承転結の「転」であったものが多かったように感じます。

つまり、これは見逃すわけにもいかないとても重要な部分であるということです。

読み進めていくうちに、時折心配になったり、やっぱりこう来るか!ヒャッホイとなったりすることも少なくありませんでした。

もちろん、一話読み切りの物語も良かったと思います。vol.8から新しく続いていく物語も、次が気になるようなものばかりです。



 とりあえず、このvol.8は次の話が早く読みたくなるような内容が盛りだくさんであります。



 ただ、このVol.8でつぼみと出会ったという方は、本を開かずに!

順を追ってVol.1から見たほうが圧倒的に面白くなりますよ。



 この辺で私のレビューは終りにしておこうかと思います。貴方が素晴らしい百合ライフを過ごせますよう祈っております。

センゴク外伝 桶狭間戦記(4) (KCデラックス)

Author : 宮下 英樹
Total Page : 248
Publisher : 講談社
Publication Date : 2010-10-06

センゴク外伝 桶狭間戦記(4) (KCデラックス)
>> いよいよ大詰め
桶狭間合戦という大舞台を前に、全体を張り詰めた空気が覆い、やや展開が地味になってしまっている。しかし、物語が大詰めを迎えるにあたっての緊張感は本巻の端々から伝わってくるだろう。



今川義元という武将を版図だけ広い都かぶれの凡将のように思っていらっしゃる方も未だに少なくない。しかし「海道一の弓取り」の名は伊達ではない。

戦上手というのは白兵戦の上手い下手だけではない。戦を大局で捉えたときに、如何に効率良く結果的な勝利を得ることが出来るか、そして如何にそれを支える国造りができるかというのが重要なのである。戦国を見回して彼ほど戦わずして勝つことを実践し、しかも実現できた武将はいないだろう。それこそが彼の武人としての実力であり、当時の紛うこと無き評価だったのだ。かの武田信玄でさえ義元の生きている間は彼との同盟に全力を尽くし、合戦を避けたと言われている。



そんな彼が飢饉の余波を受けて尾張侵攻を始める。統制の取れた大軍相手に戦況は圧倒的に織田に不利である。しかし父信秀の無念を知る信長には降伏など到底受け入れられる事ではなく、二人の名将は激突することになる。



飢饉というやむを得ない状況で生き残りを賭けて、運命が両者の命を一点で収束させていく。そういう様が本巻では無駄なく丁寧に描かれている。地味だが緊張感あふれる第4巻のストーリーテリングにより、否応無く最終巻(第5巻)に向けて期待が膨らんでしまうだろう。

Friday, July 1, 2011

ヒクソン・グレイシー 無敗の法則

Author : ヒクソン・グレイシー
Total Page : 271
Publisher : ダイヤモンド社
Publication Date : 2010-09-25

ヒクソン・グレイシー 無敗の法則
>> 何なんだろう、この濡れた雲のような感覚は
著者の現役時代、そのコメントに惹かれた記憶があります。

それがあって購入したのですが、書かれてあったことは

色褪せておらず、又しても魅入られてしまいました。



特に精神部分に絞って書かれており、俯瞰して読むと、

雲のようにつかみ所の無いように感じるものの、

その雲は触ると湿って濡れており、確かに存在するという感覚です。



格闘技から学んだ著者の生きる姿勢が書かれてありますが、

これは日常生活から仕事に至るまで、すべてに共通して

芯の部分で為になる本だと思いました。



柔術をしたいとは思いませんが、この考え方は取り入れたいと思いました。
>> まさにタイトルに偽りなし、ヒクソンの「無敗の法則」
ヒクソン・グレイシーの自伝的哲学の書である。



 と言っても、本書の立ち位置は、いわゆる「セルフヘルプ・ブック」、「インスピレーション・ブック」の範疇に入るものである。



 日本語で言うなら、「人生に勝つ方法」とか、「人生に負けない法則」とかいうタイトル本に近い。



 つまり、底に流れる内容は、その手の本の読者なら「既視感」のあるものばかりだが、



 何せ、あのヒクソンの言葉だけに、その「柔術だけでなく全てに通じる話」は、

正に「迫力と真実味」が断然違うのだ。



 従って、本書のタイトルだけだと格闘技ファンしか目に留まらない可能性大だが、格闘技に興味なくても、人生に迷っている人には、確実に響く本である。



 ここまでで、星5つは揺るがないが、昔日のプロレスファンとしては、評価とは別に、ちょっとした「残念事項」も上げたい。



 本書でも「無敗フレーズ」は頻繁に出てくる。だが、ファンは、ヒクソンが日本でブレークしてからは、

「相手を選んで戦っている男」、「もっとも対戦するのが難しい男」という評価が「400戦無敗」と同時あったことも知っている。また、結局「グレイシーキラー」桜庭和志とも結局戦わずしまいになってしまった。



 本書では船木戦についての話はあり、そうならば、この辺りの「他人の評価」についての事や桜庭との関係も「哲学」して欲しかった。

 関係が微妙視されていたホイスとの事も聞きたい話である。



 本書は、その立ち位置上、「完結」しているので、次があるかどうか判らないが、「ヒクソンの本」としての次には、上記の残念事項を期待したい。
>> 一読の価値あり
人生は闘いである。

そのための心構えが記されている。

格闘技を通じて、ビジネス、生活全般に通じる知恵が語られている。

とてもリアルに。

ヒクソンが味わった痛み、哀しみも率直に語られている。

最強と謳われた男も、私たちと同じ、ひとりの人間であるということが伝わってくる。

困難な状況に直面しても絶望することなく、戦略、やり方を変えれば、突破口は必ず見つけられると示唆してくれる。

一読の価値がある、価値の高い本である。