Monday, December 20, 2010

眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 百鬼夜行抄(19)

Author : 今 市子
Total Page : 234
Publisher : 朝日新聞出版
Publication Date : 2010-10-07

眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 百鬼夜行抄(19)
>> 新たな展開
ずっと同じ設定で続いてきた話に変化が。

青嵐の守護が保障されなくなって、律の生活は確実に変わってきている。

それはきっと青嵐との新しい関係を作るという課題が発生したってことだと思う。

おじいさん&おばあさんのエピソードは定番になって、なかなか順調にいい感じに進展している。

その一方で律の前に赤間が現れたりして「うーん。ストーリーは動いているぞ」という感じ。


>> 読む読む
一度読んでも理解できないことが多いので、何度も読みます。

何度も読んで、「ああ。そうか」と、思ったりします。

それで、また読むと「なんだ、読めてなかった」と気づいたりします。

なんとも不思議な作品なのです。


>> 百鬼夜行抄 第19巻 メモ
★ 『寒螢』 (ネムキ2009年 3月号) 



青嵐の守護が無くなって、心もとない律の毎日。式神にしろと妖魔に迫られたり、近所の通夜に参列していても、その家のトラブルに巻き込まれてしまう。青嵐は契約が切れた後も、自由を満喫しながら飯嶋家でお父さんを続ける様子である。居候なのか?ボランティアなのか?

   

★ 『嘘つき地蔵』 (ネムキ2009年 7月号) 



律の父方の親戚の子が、飯嶋家にやってきた。何かに追われているらしいが、本人は何も言わない。律の母が夫の故郷へ行ってようやく真相が明らかになった。逃げ切るためには嘘をつき通すことが必要だという。果たして無事に逃げることができるのか?

   

★ 『石段の底』 (ネムキ2009年 9月号) 



無防備な律につけこんで他人のトラブルが舞い込んでくる。ゼミ旅行で行った村で、律は水の入ったビンを妖魔から押し付けられる。それは同じ大学の学生の故郷の村だった。石段を登りきらないとふたりは水に飲み込まれてしまう。水の底には死者たちが待っている。

 

★ 『赤将軍到来』 (ネムキ2009年11月号) 



律の祖母の知人の家の木には妖魔が住んでいて、木を切ろうとする家人に害をなす。その上、家人の大伯母の執念がからみ、強盗が入り、何百年に一度の赤将軍の行軍が重なる。飯嶋家の面々の無事を守るため走りまわる尾白と尾黒。意外と青嵐は律のことが大事なのかもという一面も。

   

★ 『名前のない子供』 (ネムキ2010年 1月号) 飯嶋伶(蝸牛)の話



律が子供の頃着せられていた花束紋の赤い着物にまつわる話。律の祖父の蝸牛が、律の祖母の八重子を流行性感冒の死者の列から取り戻すために画策するが、助けてくれたのは幼くして亡くなった着物の持ち主の少女だった。蝸牛にちょっかいを出したがる妖魔の赤間も、蝸牛を陰ながら守っている。そしてこの騒ぎが律の祖父母を結びつけることになった。少女と赤間は律のことも見守っている。過去と現在が赤い着物で結びつく。



☆ あとがきマンガ 『夜行する神々』



作者が山で出会った大きな荷物や変な荷物を持つ人々(神)の話





(感想) 19冊目になってもネタが尽きず、読んで面白い稀有なシリーズ。こうやってあらすじを書くと、様々な伏線が張り巡らせてあることがわかる。しかも一筋縄でいかないどころか、二つも三つも組み合わせてあるので、初読で理解するのはほとんど無理かも。何回か読むとしみじみと面白い。

No comments:

Post a Comment