Author : 三浦 建太郎
Publisher : 白泉社
Publication Date : 2010-09-29
ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)
>> 編集者の問題
この巻の完全に自己模倣的な闘いの繰り返しに少し辟易です。 ジェッツコミックの稼ぎ頭でしょうが、引き伸ばし過ぎです。 作者の問題よりも、編集者に作品をより高める意識があれば、その上で厳しい摺り合わせがあれば、このような指摘は受けないと思う。 つまりは、確信犯と感じる。 漫画家になりたての、成功を夢見て、いい作品を描こうと必死になっていた若かりし頃の漫画に対する 『渇望』 連載を続ける中でそれは維持されるが、不定期連載になればなるほど、余裕という名のもとに渇望が失せてないだろうか。 作者の体調や家庭の事情もあるだろうけどね。 絵は流石です。確かに素晴らしいですが、描き込みすぎの感もあり。コミックサイズに縮小されると尚更。画面に中心がなくなるように見えるし、画面の把握がし辛い。 過ぎたるは及ばざるが如し。作者の更なる意識の進化に期待。 とにかく、読者を引きずり回し息すら出来ないほどグイグイ進み続けるストーリーが、今一番読者が渇望しているのではないかな。 壮大な世界を描きたい気持ちも解りますが、散漫になる危険も出始めてます。 削ぎ落とされた筋肉質の作品を是非! 1巻から18巻ぐらいの激しい展開を作者も編集も思い出して初心を思い出して欲しい。
応援してますよ!良い作品ですから!
>> 緊張感ゼロ
黄金時代〜ロストチルドレン編あたりのベルセルクとは全く異なる漫画になりましたね。
かつてはグロテスク感や緊張感に満ちていましたが、今はゆったりファンタジーに。
ここ数年はキャラに人間臭さがなくなりました。
黄金時代のときには、ガッツやグリフィスはもちろんジュドーやキャスカなどの心理描写もしっかり描かれ、
人間臭い人間関係がありました。
人間臭さがあるからこそ読者は感情移入できるし、
人間とは正反対の使途などの化け物達がリアルに感じられ、読者に恐怖や絶望感を与えることができました。
しかし、ここ数年のキャラ(セルピコやシールケ等)には全く人間味を感じず、
今やイシドロのような少年でも化け物に冷静に対処している描写があると、
読者は化け物に対し不安や恐怖を抱くことなく、
ベルセルクの醍醐味である「恐怖、怒り、絶望感、緊張感」がゼロになってしまいました。
それとデフォルメしたコメディシーンや萌えシーン(?)は要らないのです。
シールケがくしゃみをするシーンはさすがに引きました・・・。
ここ数年の三浦建太郎氏の絵は綺麗にまとまりすぎて迫力が半減しましたね。
綺麗になりすぎて、上手くなりすぎて迫力が減るのは後期スラムダンクや昨今のワンピースも同様で、
ここからは「上手く綺麗に描くこと」ではなく「省略化すること」を絵に含まないと絵の魅力は低下していきます。
井上雄彦氏はバカボンドで上手く変化しましたが、尾田栄一郎氏は劣化の一途。
三浦氏の絵はどうなるかと思い惰性で読んでますが、今のところ劣化の一途をたどっています。
絵の魅力が減り、緊張感がなくなってしまったベルセルク。
ロストチルドレン編でロシーヌに対し、
ガッツが「遊び半分で食い散らかした人間のことなど覚えちゃいまい」と言って睨みつけるシーン、
あの鬼気迫るシーンはもう見れないのでしょうか。
昨今の日本の連載漫画は全体的に面白味がなくなり、
「ベルセルクももうダメか、いよいよ読む漫画がなくなったなぁ」とつくづく思いました。
90ページあたりのガッツが剣を振るシーンがまあまあ良かったので☆2で。
個人的に35巻の見所はそのシーン2ページだけですね。
ストーリー、キャラの心理描写の見所はゼロです。
>> 作者に終着点は見えてるのか?
この作者が何歳かは知らないが、いったい何時完結させるつもりなのか?
刊行されている雑誌が発売されるたびに「作者取材中のため・・」。
今やネット通販は当たり前で、発売前に予約して買う人の気持ちになって
くれと言いたい(自分はそんな無謀なことしないけど)
いやもう今後一年計画を出版社が前もって出してくれて、年間の第○○号から
××号には間違いなく掲載しますって感じでいってほしい。
で35巻ですが、いや〜この調子だと百巻でやっとグリフィを打ち負かすって
ペースですね。東名間リニアモーター開業とどっちが先か・・。
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