Author : 磯崎 哲也
Total Page : 334
Publisher : 日本実業出版社
Publication Date : 2010-09-30
起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
>> 目から鱗がボロボロと落ちる本
人気ブログの作者による起業で成功する方法。日本には起業する環境が整っていないイメージがある。しかし実際には知識があれば資金の調達は難しくないという。そこをベンチャー支援の専門家である筆者が解き明かす。
内容は、「起業」と「ベンチャーファイナンス」の二部構成。実践的な知識をわかりやすく解説しています。
前半は、起業家に必要なマインドについてまとめている。確かに本人に素養があることが重要なのだろう。非常に説得力がある。
後半は、「事業計画」や「資本政策」の作り方からはじまって、「企業価値」や「ストックオプション」の考え方、「投資家との交渉のやり方」「種類株式の使い方」といった専門的なテーマが、極めてわかりやすくコンパクトにまとまっています。
堅苦しいところは一切なく、ユーモアあふれる文体で非常に読みやすい。読み進めると目からぼろぼろ鱗が落ちます。
これから起業を志す人だけでなく、現代的なテーマである「起業」について知識を持つのに最良の一冊だと思う。
>> ベンチャー企業の肥やしになるもの
本書は”起業のイメージを持つこと”に主眼が置かれたまぎれもなく良書
著者はisologueで有名な磯崎哲也氏
著者も再三再四おっしゃっているように本書の副題となっている”ベンチャーにとって一番大切なこと”の解は本書の紙幅の大部分をなす”ファイナンス”ではなく、”アニマル・スピリッツ”とそれを持ち合わせた”人”にある
その意味でベンチャー企業にとって種となるのはあくまでもアニマル・スピリッツを有した人であり、”ベンチャーをやってみようという(イケてる)ヤツら”である
そして著者の専門であり紙幅の大半をなす”ファイナンス”はそのベンチャーに芽を出させ花開かせる肥やしといえる
本書は最低限度過不足なくそれでいて簡潔明瞭な良質な肥やしとして全ての起業を志す方にお薦めしたい
実践者たる者にとって本書ほど重宝となるものは今まで無かったに違いない
また著者はベンチャーが育つ上において大いに弊害となっている現在の日本の社会環境に対しその問題点を的確に突きながらもそれ以上にアニマル・スピリッツを持ったイケてるヤツらの存在の不足がより以上の問題であること、問題の本質であることを説いており、厳しい言葉ながら大いに納得させられる
本書について一読されることをお薦めするが、その実践については他者に勧める前に私自らが実践しなければならない・・・そんな気にさせてくれる実はすごく熱い本でもある
是非手に取っていただきたい
今年指折りの名著であり、きっと風化せずにこれから長年読まれ続けるであろう名著として強く推薦する
>> 非常にまとまっている。
起業というのはしばらくは中小企業経営にequity finance がついているようなものだ。
一当て目指して会社をはじめても上場を目指せる事業でなければ従来の間接金融に頼るしかファイナンスの手立てがない。銀行は融資担当に事業の可能性を見るような高いレベルの担当は普通いないので、著書が言うように起業するもの、その可能性を見立てるもの、アドバイスするもの、いろいろなプレイヤーの生態系が国内にもできると良いのではないか。ソニーにしても最初に上場したのは米国の市場であって、育ち盛りで金が必要なベンチャー企業に資金を提供できるような優秀な直接金融の市場を日本もそろそろ持ってもよいのではないかと思う。
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