Author : ケビン・メイニー(著)
Total Page : 275
Publisher : プレジデント社
Publication Date : 2010-07-06
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
>> 日本の消費者は、そんな単純じゃないっすよ
上質?手軽?アメリカの消費者だったら、どちらかで通用するんだろうね
でも日本の消費者はそんな単純じゃない。プラスして価格設定がキモ
10年前だったらこの本、面白かったと思う。だけど、ちと古い
>> 手に取りやすい本。
訳書ですので、だらだらした印象を受けるパートが一部ありますが、素早く読める一冊です。
メーカーに務める実務家、商学を学ぼうとする学生、どちらが読むにしてもちょうどいい内容だと感じました。学部ゼミのケーススタディ等で使うにはいいかも。
価格も訳書でこれくらいのものなら、適切なボリュームゾーンでしょう。
>> 上質と手軽さの単純明快なフレームワーク
上質(Fidelity)と手軽さ(Convenience)の二兎を追って成功した事例はない。成功はどちらかの頂点に近づけたものの手にある。という単純な図式に最近の様々な事例を当てはめて紹介している。
この本を読み始めたとき、ちょうどファストリの決算会見で、柳井社長が「(余計な装飾を付けた)表面的なファッションをやり過ぎた」として、従来のシンプルな品揃えに方針転換をする旨の会見をしていた。「上質」に少しぶれかかっていた方向性を「手軽さ」の方に引き戻そうとするその戦略転換の見極めの早さに感心した。
また、原著は2009年発刊で、iPadはまだ世に出ていない。iPhoneがFidelityからConvenience商品に移行していることから、次なるFidelityとなる商品がアップルに必要なことを訴えている。まさにジョブズはタイミングよくiPadを世に送り出したわけで、そのビジネス感覚の鋭さを改めて感心したりする。
などなど、当たり前といえば当たり前なのだが、上質(Fidelity)と手軽さ(Convenience)の2軸でマッピングする図式は単純明快であり、大きな戦略や方向性を検討するには適切なフレームワークではないかと思う。
筆者はジャーナリストであり、取り上げている事例も豊富で読み物としても面白く読める。特に、テレデシック(高速無線インターネット)やベタープレイス(電気自動車)のケースから読み取れるプラットフォーム作りからのチャレンジの難しさの教訓は興味深かった。
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