Wednesday, March 23, 2011

Q.E.D.証明終了(37) (月刊マガジンコミックス)

Author : 加藤 元浩
Total Page : 200
Publisher : 講談社
Publication Date : 2010-10-15

Q.E.D.証明終了(37) (月刊マガジンコミックス)
>> 一番大好きなミステリコミック
唯一にして無二のミステリコミック。

数学、科学、物理、色々な物事を分かりやすく説明するだけでなく、ストーリーのモチーフとして巧く馴染ませる手法には毎巻感心してしまいます。



今作はプロファイリングを取り上げた「殺人講義」と、アニメ制作の舞台を取り上げた「アニマ」の2作。



特に「アニマ」はどんな職業にもありそうな、息が苦しくなるような瞬間が描かれています。

彼女を助けることができなかった喪失の思いを抱えてしまいました。
>> 積み重ねてきた末の崩壊
 警察のプロファイリング研修所で起きた殺人事件の真相を描く「殺人講義」、アニメの制作現場で起きたトラブルの真相を描く「アニマ」を収録している。どちらの作品にも、過去からの積み重ねとその崩壊というテーマがある印象を受けた。



 殺人講義で語られるプロファイリングの本質とは確率論。この様な経歴を持つ人物はこういうことをやり易い、こういう場所ではこういう事件が起きやすいというデータの積み重ねを利用して、直観によらない参考情報を提供してくれる。そして、この事件が起きた背景にも、過去にこういう事件があったからそれで変わった、という部分が大きく影響を与えている気がする。

 アニマは、アニメの制作現場の厳しさを紹介しつつ、それでもめげずに突き進み続けるものと、力尽きてしまうものの姿が描かれる。ラストシーンは、たとえアニメ以外の他の分野ででも、同じ様な経験をした人間には、身につまされる部分があるのではないだろうか。
>> プロファイリングとは
今回も1話ごとの巧みな構成に脱帽!

収録されている『殺人講義』と『アニマ』の2話とも素晴らしいですが…FBIのプロファイリング講義中の殺人事件を解決する『殺人講義』が個人的に好きです。

テーマがプロファイリングだけに容疑者の性格、言動に注意していれば犯人は自ずとわかる構成になっています。

読後は38巻が待ち遠しくなる事間違いなし!

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