Friday, March 11, 2011

悪人(上) (朝日文庫)

Author : 吉田 修一
Total Page : 272
Publisher : 朝日新聞出版
Publication Date : 2009-11-06

悪人(上) (朝日文庫)
>> ちゅまんない
読後感・普通。

被害者はクソ生意気に書かれてるし
加害者は気の毒な生い立ちを丁寧に書かれてるし。
フィクションの世界で、誰がこの被害者を気の毒がるんだろう。 読者は皆「あーこんな女殺されて当然」って、加害者に同情したのでは?

ラストの一文も無いわ、あれは。
あの問いは「はい」って答えちゃいけないんでしょ? 「本当の悪人は○○みたいな大学生だ」とか言わなきゃいけないんでしょ?
「はい」とは答えないで下さい、と作者が言ってるようで白けた…。

被害者の友人とか両親とか、加害者の祖母とか街とか地理とか書き込むより、 もっとがんがん加害者を描き込んで欲しかった。


被害者には落ち度は無く、加害者には成育時にも犯行時にも同情すべき点は全く無い。 なのに加害者は殺人を犯す。 加害者がはっきり悪人としりながら、それでも加害者に惹かれていくヒロイン(読者)。 …そういうハードな話だと思ってたのにな…。

>> 人生に迷ったものがまた道を見出す良作
タイトルや映画作品がモントリオール映画祭で評価された点等から、かなり重苦しい作品かと思ったが、

ストーリーは単純明快。

物事の善悪の区別を見失い、生きている意味も見出せず、人生の路に迷った祐一。

作品の中で出てくる「灯台」とは、真っ暗な海の中で船が暗礁しないように航路を照らし出すものであって、この「灯台」が効果的に作品にメリハリを出しているように感じる。母親に「灯台」に捨てられて真っ暗な海を彷徨った祐一は、人生の答えを見出すように、愛する人と「灯台」にたてこもる。そして、最後に二人で灯台の岬から朝日を見る。最後に朝日を見ながら祐一は笑っているので、人生の答えをやっと見つけたのだろう。「誰が悪人か」は二次的な視点であって、あくまで主人公は祐一である。
>> 映画を見てから読みました。
映画館で見た後に、映画では表現できなかった、細部を知りたくて本を購入しました。

文章は、読みやすくあっという間に読み終え、すぐ下巻も購入したくなる事と思います。

この作品のタイトルにもあるように悪人というのは?というテーマを投げかけてて

ある意味、読み終わった後もずっと「いったい誰が、悪人なのだろう?」と

考えさせられました。

今上映中であるからではなく、皆様も読まれてみてはいかがですか?









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