Tuesday, March 8, 2011

のぼうの城 下 (小学館文庫)

Author : 和田 竜
Total Page : 224
Publisher : 小学館
Publication Date : 2010-10-06

のぼうの城 下 (小学館文庫)
>> もうぅぅう!おもしろい!!
月並みな感想しか書けないことがもどかしい…

歴史小説はスケールがでかいなぁ



主人公長親(ながちか)の底知れない魅力が

上巻以上に炸裂していきますよ



これは語り口の効果もでかいんだろうと思います

猪木伝説が人づてに広がってたんなる事実が伝説になっていくように

幼馴染である丹波の口から長親が語られていくことで

何考えてるかわからない奥深い性格が強調される



一級のエンターテイメント作品です

早く他の作品も文庫化せんだろうか…
>> 他に類を見ない、キャラクター時代小説
和田竜(わだりょう)の小説としてはデビュー作にあたる本書は、’07年12月に刊行されるや一躍ベストセラーとなり、’08年上半期「第139回直木賞」の候補作となり(ちなみに受賞作は井上荒野の『切羽へ』)、’09年「第6回本屋大賞」第2位につけた(ちなみに第1位は湊かなえの『告白』)、一大時代エンターテインメントである。’11年には野村萬斎主演で映画化も決定している。



天下統一を目前にした豊臣秀吉は、関東の雄・北条氏を討つべく、小田原征伐に乗り出す。その中に北条方の支城、武州忍城(おしじょう)があった。秀吉は寵臣・石田三成に2万の兵を与え総大将として派遣する。守る忍城方は僅か5百騎。この物語は、圧倒的に不利な状況にあってついにただひとつおちなかったこの城の攻防戦を描いたものである。



ここにきわめて個性的な忍城の臨時城代・成田長親(なりたながちか)が登場する。周りからは「でくのぼう」を縮めて「のぼう様」と呼ばれる彼は、大男でありながら、得意なのは田植田楽踊りくらいで坂東武者にあるまじく、何をやってもダメであるが、不思議と同僚の家臣や領民の人望はあつい。彼は密かに交わされていた降伏の予定を翻して三成軍と戦う決意をする。数の上では有利なはずの三成軍がてこずる前半の壮絶な攻防戦は、ページを捲るのがもどかしいほどの読みどころである。また水攻めにあい、絶体絶命のピンチに立たされた長親がそれを打ち破る秘策として、舟を出しその船上で踊る得意の田植田楽踊りのくだりは、なぜか涙し胸を打たれる。



本書は、かなり史実に基づいたフィクションであろうが、成田長親という、戦国の世にあって珍しい英傑像をフィーチャーした、感動的なキャラクター小説である。



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