Author : ジェイムズ・P・ホーガン
Total Page : 309
Publisher : 東京創元社
Publication Date : 1980-05
星を継ぐもの (創元SF文庫)
>> 想像を絶する面白さ!!
結構難しい小説で取っつきにくいのも事実ですが、読み始めると類のない貴重な読書体験が出来ると思います。魅力的な謎の提示に対して、データ収集と分析、仮説、検証、結論付け、と本格ミステリー顔負けのドラマが進みます。僅かな手掛かりと異星人?を題材としているため、当然簡単には解けません。主人公と一緒に読者も試行錯誤していきますが、この過程が本当に楽しく知的興奮の連続です。そして、作者は常に読者の想像を超える展開を用意しています。これほど面白い小説はちょっと記憶にありません。読了後、宇宙や地球、人類誕生の不思議さ等の思いが胸を過ぎりました。『夏への扉』や『幼年期の終わり』を抑え、私の中で一番好きなSF小説となった瞬間です。 尚、ハントの最後の説明に対して、批判的な見解があるようです。確かに億に一つの可能性もないかもしれません。しかし、私達人類が地球上に存在している奇跡に比べたら遥かに確率は高いでしょう。宇宙のロマンを強く感じるこの小説世界では、起こり得る事なのです。
>> 時間のムダ
途中まではまぁいいでしょう。
確かにSFで推理モノも当時としては面白い趣向だ。
だが最後の最後、月が地球の軌道上にのったという部分ですが
一番大切な部分を奇跡で片付けるのはいかがなものか。
古典力学を少しでもかじったことのある者ならばこれがいかにありえない話であるかは解かるだろう。
もう幻滅です。
もっとも続編でこの謎は解かれることになるのですがもっとつまらないのでお勧めはしない。
>> SFに拒否反応のある人も大丈夫。グイグイ読ませるミステリーSF
本作『星を継ぐもの』(原題 Inherit the Stars)は
ジェイムズ・P・ホーガンによるミステリーSFである。
2020年代、国連宇宙軍の月面調査員が、真紅の宇宙服を着た「人間」
の死体を発見する。調査によって判明した事実はこの「人間」が5万年前の死体であることだった。
果たしてこの人間は、今地球上にいる人類の祖先なのだろうか。
その驚愕の正体が、徐々に明らかになってゆく。
ハードSFの代表作であるとされるが、SFがとっつきにくいと思っている人にも大丈夫だろう。
ミステリ仕立てでぐいぐい読ませるからだ。
ところで本作は1977年の作品だが、笑えるところ二つ。
国連宇宙軍のメンバー国のひとつがソビエトである。
会議のときに科学者たちがみな、タバコを吸っている。
ホーガンほどのSF作家でもこのことには想像が及ばなかったようだ。
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