Author : 百田 尚樹
Total Page : 608
Publisher : 講談社
Publication Date : 2009-07-15
永遠の0 (講談社文庫)
>> ストーリーは良いんですが
祖父を調べる動機がありきたりで少々がっかりしました。
それとどうしても主人公の語り口が淡々としていて中々感情移入できません。
もっと主人公と言う切り口からストーリーを広げてほしかったし、姉のキャラも弱かった。
飛行機乗り、整備兵達の話しは鬼気迫る物があり、とても良かったです。
ただ、体験記みたいな感じなので、ストーリー性を求める人には物足りないかと思います。
>> 残念な作品
もともと戦争に関連した物語が好きな私ですのでこの作品にもかなり期待して読みました。
しかし読んでいくとこれは文献の寄せ集めのようなもの。
それを一応、一人の人物に語らせているように書いているが、残念ながらその書き方がかなり雑。
文献をひっぱってきて、それを人が話しているように連ねているだけです。
最後にちょっと、おおっと思わせることがありましたが、それだけです。
大して感動もなく、すごく物足りない作品でした。
残念です。
>> 命の選択。
戦争のイメージって?
国と国の利権の取り合い?
殉教精神の貫徹?
積年の恨み辛み?
カッコつけて戦争を語る前に、改めて
考えなければならないこと。
それは、生と死のはざまで、もがき苦しむ
戦士が必ずいるということ。
そして、その戦士にはほとんど必ず家族がいるということ。
「命の洗濯」ではなく「命の選択」。
生きるか死ぬか、選択できない状況が想像できるか?
不治の病ならいざ知らず、他人から死になさいと言われる
ことが現代日本であり得るだろうか?
今作はフィクションであるが、そういう時代・史実が
確かにあったことを忘れてはいけない。
日本の作戦の無謀さがあったかどうかはどうでもいいし、
現実は違ったのかもしれない。
ありきたりに、「戦争の悲惨さ」のみで語りたくない作品であり、
日本人のみならず、現代人には読んでほしい、というより
読まなければならない作品だと思った。
ミステリー要素が、テーマの戦争に輪をかけて感涙を呼ぶ。
斜に構えて、現代の平和を謳歌している我々が恥ずかしいと
思うとともに、先達の功績と犠牲の上に成り立っている
現代社会と、先祖や家族への無類なき感謝を胸に、
「生きている」実感をかみしめて、生きていかなければならない。
選択なき人生を全うしていった諸先輩方に報いるために。。。
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