Author : 渡辺 淳一
Total Page : 360
Publisher : 集英社
Publication Date : 2010-09-24
孤舟
>> 定年退職後の男の悲哀
大手広告代理店を定年退職した威一郎。
バラ色の第2の人生のはずが、彼を待っていたのは、夫婦関係と親子関係の危機だった。
世間でたびたび話題に上る定年退職後の男のお話です。
例に漏れず、家事全般一切出来ず、更にやろうとせず、
いつまでも男は仕事・女は家事・育児が当然と思い込んでいる主人公の男性
妙にリアルで、そして妻の気持ちも手に取る様に理解出来ます。
ただこの手のお話はそこいらにありふれているせいか目新しい感じもせず、
盛り上がりにに欠けた内容になっているのが残念です。
活字の大きさが疲れ目には優しい大きさで読みやすはありました。
>> 平滑な内容
定年を迎える男性の虚脱感を著す書は、ビジネス書・啓蒙書でも数多く見られる。本著作はそれを大衆文学化しただけの、そのままの平滑な内容であり、残念ながらわくわく感・どきどき感は皆無である。
>> 年老いた男の寂しさ
定年退職を迎えた男の気持ちが、あるところまではリアルに描写されているのではないかと思う。
主人公のように現役時代にそれなりの役職につて栄光をもっていた人間であれば、過去にすがりたい気持ちも人一倍だろう。
結局、男は自分の縄張りを広げたり、支配する欲望にかられてしまっているうちは男同士でいつまでも仲良くするというのは難しいのかもしれないと思った。主人公の生活は、多少のいざこざはありながらも、妻、娘、小西などの女性たちによって支えられていたように思う。男とはいつまでたっても女なしには生きていけないんだ。
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