Author : 有川 浩
Total Page : 269
Publisher : 幻冬舎
Publication Date : 2010-08-05
阪急電車 (幻冬舎文庫)
>> すばらしい構成
テンポ良く進むストーリー。全く無駄のない表現。
ストーリーの軽やかさには、カメラワークのようなものを感じる。
話そのものは、市井にありふれたモノながら、抜群のウィットと仕掛けにあふれる。
読後感が非常に心地よい作品。
>> 『結婚失格』の解説を読め!!
女性作家さんなんですねぇ。
初めて読みましたぁ。
とにかく、この本にでてくる登場人物は死ぬほどウザい上に気持ち悪い。
彼等は電車の中で他人にいきなり話しかけ、忠告したり、仲良くなったり、恋人になったり…。
ん?いい話なのか?
いやいやいや、普通、話かけねーだろ…。忠告しねーだろ(する人はするか)。仲良くなんねーだろ。恋人に…(おいおい)。
小説だから!という事なら、まぁ仕方ない。
しかし、この小説、小説でありながら全くドラマが展開しない。
その場限りのラジオの素人投稿コーナーの「ちょっと電車であったいい話〜」的なストーリーが16回、何の関係性もなく語られるだけだ。
フィクション的なドラマ展開もなく、完全にリアルでもない世界観と人間観にはとにかくイライラさせられる(俺だけ?)
無理やり、つながりのない話を関係性があるように見せているところはもしかしたらこの作家の技量なのかもしれないが。
伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』ばりに無理のあるつなぎは、もはや神がかっているとさえいえる。
特に、後半は酷い。
もはや電車とか駅とか関係なくなっている。
電車に乗っている時の回想話って…。
もう電車関係ないやんけ!
どう考えても後半は前半の伏線を回収するべきだった。
つまり、前半の主人公の話にでてきた人物の一人称で同じ話を語りなおさせれがよかったのだ。
図書館での恋話なら前半が男側、後半は女側。
DVな大学生カップルの話なら前半が女側、後半は男側ってなかんじで。
前半も後半も語り手が同じ…。だったら折り返しの意味ないじゃん!
そして、最大に問題なのがこの小説の登場人物は誰一人として成長しないことだ。
この小説の主人公達は決して自分の考え、行動が間違っているなんて微塵も思わない。
自分が悪いのではなく、私を嫌な気持ちにさせる相手に原因があると確信している。
そして、そんな彼らに他の登場人物達は「そうだ、あなたは正しい」と背を押すだけだ。
「自分は正しい」と言い続ける人を他人は好きにはならない。
恋愛は法律ではないし、正しいか正しくないかは関係ないからだ。(詳しくは『結婚失格』の町山解説を読むべし)
非常識で暴力的な彼氏だっていい面はたくさんあったはずだ。
電車の中で偶然であったババアに「つまらない男ね。別れなさいな」と言われるだけの存在ではなかったはずだ。
被害者意識だけを持ち合わせた登場人物は、理想的な彼氏・彼女に出会おうと必死だ。
確かにこの小説の中では奇跡としか言えないような(?)出来事が起こりカップルになった奴らもいるが…。
断言してもいい。
お前らに理想の相手は現れない。
「自分は正しくないかもしれない」そう思うところから始めてはどうだろうか?
>> いまいち
映画になるし、今話題なので購入しました。
有川浩さんも初めてです。
阪急電車を舞台に、様々な人物が折り重なるのですが、
話にまとまりがあるようで、ないようで.....
出てくる女性は、皮肉めいた発言が多いし、
女性の嫌な面ばかりが目だっていました。
それが女性作家の鋭い視点と言われる方もいると思いますが、
あまり気持ち良いものではありませんでした。
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