Wednesday, January 26, 2011

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

Author : 森 功
Total Page : 302
Publisher : 新潮社
Publication Date : 2007-05

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)
>> あまりに怖くて途中で読むのを止めました。
なぜキチンと医学を勉強した教養ある看護婦が他愛の無い嘘に振り回されながら、多くの殺人を犯したのか。それも、なんだか良く解らんブスなオバサンのために。どこにも魅力も無く、醜く、嘘ばかりなのに、いつの間にか都合良く振り回されている。第二主犯格の女性は、近親者を彼女のせいで手に掛けているのに、彼女の性欲を満たすためにレズビアンの相手までする。本当は皆嘘なのを良く良く分かっているのに、吉田純子に振り回される。女王様体質と浪費癖、虚言癖を補うかのような嗅覚の強さ。弱くて、振り回され易いタイプを嗅ぎ分ける能力は、吉田純子のDNAの中に刻まれた才能と言うべきか。



ホントに不思議なのは、共犯者全てが吉田の浪費・虚言癖を分かっているのに、彼女に振り回されている。いつか捕まる、いつかバレルことが分かっているのに、吉田に逆らえない。



もしかして、女王体質と奴隷体質は持って生まれてくるもので、それが合致するとこのような悲劇になるのではと変な感想を持ちました。



さて、私は奴隷?女王?。どっちにしても、犯罪の香りがしてイヤですね。人間の深淵を見てしまった感じです。それで途中で止めてしまいましたが、でも色々と考えさせられる本で、お勧めです。
>> なんかすごかった
この事件が実際に起こり報道されたとき、「なぜそんなことが起こり得たのか?」ととても疑問に感じていました。この本を読んで、背後関係などはわかったけれども、それでもやはり、疑問が完全には解けません。

しかし、巻末解説のサイコパスへの言及を読んで、少しわかった気がします。「生涯を通じて他人を魅惑し、操り、情け容赦なくわが道だけを行き……」まさに主犯の吉田純子そのものです。

サイコパスまでは行かなくても、非常に自己中心的で強い人格というのはときどきあります。そして時として人は、そうした人格に魅力を感じる。途中でうんざりして離れることが多いにしても……。なぜなんだろう? 太古の昔、強いリーダーに導かれて延命を図ってきたという遺伝子が、そうさせるのか?



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