Author : 湊 かなえ
Total Page : 265
Publisher : 幻冬舎
Publication Date : 2010-09-21
往復書簡
>> 敢えて手紙という切り口が新鮮
告白が面白かったので、思わず手にとってすぐに購入しました。
内容は手紙に関する3つの短編集みたいになっています。
どのお話しにも、きちんと計算された、意外なオチがあって、
さすが湊さんだなぁとうなづかされました。
特に学校の先生の教え子を探していくお話は、他の2つと比べて
そんなにドロドロしていなくて、好感をもちました。
告白があまりに面白かったので、今後も告白と比較され続けると
考えるとちょっと気の毒な気もしますが、この本だけでも充分なくらい
面白いです!
久しぶりにレターセットでも買って、古い友人に手紙でも書きたくなる
そんな一冊です。
>> この時代だからこそ。
「十年後の卒業文集」、
「二十年後の宿題」、
「十五年後の補習」の3編からなる本書。
どれも学生時代の甘酸っぱい記憶がよみがえる、
オトナになった人たちにお勧めの一冊です。
「十年後の卒業文集」については、
少し設定に無理があるかなと思うところがあり、
後味はあまり良くなかったです。
「二十年後の宿題」は意外な展開で面白く読みました。
最後の「十五年後の補習」は、
とても自然なストーリーの中に一つの事件が絡み、
何度も驚きがあり良くできていた印象です。
気持ちよく本を閉じることが出来ました。
湊さんの作品は本当に読みやすく、分かりやすい。
本書は特に「手紙=口語体」なので、
話し言葉に近いのが、読みやすさの理由だと思います。
普段本を読まない方でも、すんなり入り込める作品だと思います。
>> 先が気になり止められない小説です
デビュー作から欠かさず読んでいる湊かなえさんの新刊です。
毎回独特の作風ですが今回は手紙を通しての告白的小説となっています。
1 十年後の卒業文集 2 二十年後の宿題 3 十五年後の補習
の3つの中篇が収録されており、3編とも独立したお話ですが形態は全て往復書簡となっています。
1つ目の話は一見相手を思いやる様に見せかけつつも腹の探りあいの様な毒のある往復書簡で
絶えず疑心暗鬼な気持ちが続きます。
思わせぶりな内容で、しかも肝心な部分はぼかす、
私の周りにいた回りくどく嫌味を言う方の顔がチラついたりして不快な気持ちにすらなりました。
が逆にその文脈に漂うグレーな部分によって先が気になって本を閉じれない、
結局一気に読んでしまいました。
真実はいつも1つなのに、各自の想像・憶測・妄想でとんでもない事になってしまう怖さも感じます。
2話でもドキドキさせられますが、結末にはほっとしました。
3話に至っては手紙だからつける嘘、手紙だから許せる罪、
手紙だからできる告白に驚き真相に辿り着くまでにハラハラしどおしでした。
次回の作品も楽しみです。
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