Friday, June 10, 2011

企業参謀 (講談社文庫)

Author : 大前 研一
Total Page : 218
Publisher : 講談社
Publication Date : 1985-10-08

企業参謀 (講談社文庫)
>> メーカーの技術者に読んでほしい そして乗り越えてほしい
この本と『続企業参謀 (講談社文庫)』は、どちらも著者が30代半ばで書き、当時のベストセラーでした。メーカーの技術者で、理科系の本しか読んでこなかった方に、ぜひ読んでほしいと思います。



まったくこの分野に馴染みがなかった方には「目から鱗」のはずです。ですが、同じ分野の本を何冊か読むと決して新しいことではなかったと気付かれるでしょう。



この本の主眼はBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)が開発したプロダクト・ポートフォリオ・ダイアグラムです。この分析方法は当時の日本では殆ど知られていませんでした。それが読者に新鮮だったのだと思います。著者は「私の方法」と書いています。一般には四つの象限に分けるものを九つの升(ます)に区切っていますから、たしかに「私の方法」と言えないこともないのですが、やや胡散臭さを感じます。



この本を読むと、著者は技術者としては凡庸だったのではないかと思わされます。学んだことを他人に説明する力はあっても、未知のものを発見する力がそれほど敏感とは感じられません。例えば、写真のフィルムの撮影枚数の数列、12、20、36を、なぜそうなっているか突っ込んで考えず、根拠がないと切り捨てるあたりです。著者は等差級数以上の数学を知らないのかもしれませんが、そうだとしても、そこに何かあると考えるのが真の研究者、技術者です。ものを見る目が甘いなあと思います。



コーヒー一杯分で買える文庫本です。この本を批判的に読み、ぜひ当時の著者を乗り越えてほしいと思います。そして、経営コンサルタントの言葉の真偽を見抜く力を身に付けてください。
>> 企業経営におけるバイブル的一冊
昨今の日本の経営書は少なからずこの書の影響を受けていると言っても過言ではない。この書が発行されたのは四半世紀も前であるがその内容は今でも十分参考になる。今一度この書を読み返してみることをお勧めする。
>> 戦略的思考で差をつけたいときに読む本
   

『「戦略的」と私が考えている思考の根底にあるのは、一見混然一体となっていたり、常識というパッケージに包まれてしまっていたりする事象を分析し、ものの本質に基づいてバラバラにしたうえで、それぞれの持つ意味合いを自分にとってもっとも有利となるように組み立てたうえで、攻勢に転じるやり方である。』



この本は、経営者をはじめ、コンサルタントなどが雑誌で勧めていたので手に取ってみた。



大前氏は世界を代表するコンサルティング会社のマッキンゼーで日本支社長を経験し、多くの著書を執筆し、ビジネスマンのファンが多い人物である。



この本は、題名の通り、参謀という地位にある人に向けて書かれている教科書のような本である。



今の段階で本の内容を理解するのは難しかった。しかし、この本には戦略的思考のフレームワークがわかりやすく表されているので、将来的に再び読み返す時が来ると思う。

No comments:

Post a Comment