Thursday, June 23, 2011

君に届け 8 (8) (マーガレットコミックス)

Author : 椎名 軽穂
Total Page : 165
Publisher : 集英社
Publication Date : 2008-11-25

君に届け 8 (8) (マーガレットコミックス)
>> この巻だけで評価するのは危ない
すれ違いとか鈍感さとか、そういう部分にイライラする人がいるのは分かります。

しかし10巻まで読むと、この巻にあるそういう部分が物語の展開上必要だったんだなということが理解できるはずです。

すんなりと口から出てしまったような「すきだよ」で終わらせられる関係じゃないんです。

そしてそれをまっすぐと受け止められるほどは、爽子はまだ「好き」という感情を扱いきれていないんです。

 

爽子は先へ進む覚悟ができていません。それは何事にもつまづいていなかったからじゃないでしょうか。

風早との関係において、明確に怖さを感じたとき、それを乗り越えられるかどうかという強さを得ることが、ここでのテーマです。

この気持ちは先へと続いていきます。

この巻を読んで微妙と感じたのであっても、読むのを止めちゃいけませんよ。
>> もどかしいっちゃもどかしいけど
話を長引かせてるとは全然思わなかった。恋愛って現実でも結構もどかしいものだとおもうので私は平気。そんなもん心配しなくていいよーって些細なことでも当事者は気をもんじゃったり悲しくなったり。

8巻になってもまだ付き合う気配がない感じ、こんなにも丁寧に主役達が付き合う前のことを描いてくださるのはありがたい。

爽子がもっとわかりやすくアピール出来る子なら風早もすぐに告白できるんでしょうが…、それだと君に届けじゃなくなってしまう。

KENT君の登場でごちゃっとはするが面白い奴だと思う。明るくない展開の中いい味出してる。

ちょっと必死になってきた風早くんが魅力的。さすが漫画の世界だけあっていろいろ都合のいい男の子だ(笑)
>> これもありでは。
1巻から続く「爽やか」な甘さに限界がきて、

少し苦味が出てくる、そんな巻でした。



作者の椎名さんは苦い部分も上手く書ける実力をお持ちで、すれ違いの仕方も非常に王道な感じですが、爽子と風早には少し似合わない気もしました。「暗さ」がただでさえ前面に出てきてしまう爽子な上に、場面まで暗いとかなり落ちます。

しかし「君に届け」というひとつのマンガとしてみると、この苦さははずせない部分になっているので、読んで損はないと思います。

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