Author : 深沢 美潮
Total Page : 300
Publisher : アスキー・メディアワークス
Publication Date : 2010-10
デュアン・サーク2 14 (電撃文庫 ふ 1-60)
>> 待望の最終章、開幕!
13巻が発売されてはや6ヶ月。待望の14巻が発売されました。
12巻辺りからレビューを書いているので、今回もレビューを書いてみようと思います。
前回よりも場面があっちこっちに飛ぶ頻度も少なかったと思いますが、やはり今回も
飛びはします。
しかし、今回は「今の状況になるまでの経緯」が書かれている事が多かったので、
前回の話や今までの話を忘れていても「あぁ、そういえばそうだった!」と思い出せるような
配慮がされていて良かったと思います。
又、前回は急ぎ足な描写が多く、それぞれの場面がぶつ切り状態のまま違う場面に飛ぶ事が
多かったのですが、今回は1つ1つの場面にある程度区切りをつけた状態で場面が飛ぶので、
冒険パートも戦争パートもじっくり落ち着いて読む事が出来ました。
今回はそれぞれのキャラクターの成長が分かる場面も多く、なかなか出番が無かった
キャラクターも一気に動き始めます(今回ルルフェの登場はありません)。
意外なキャラクターが意外なところで登場し、活躍していたので私も驚きました。
内容を大まかに分けると、冒険パートと戦争パートが大体半々といった感じでしょうか。
今回のデュアンは「勇者デュアン」ではなく「冒険者デュアン」といった、勇者と呼ばれる前の
デュアンっぽい描写で書かれている場面が多かったので、彼の出てくる冒険パートはシリーズ中期の
冒険の空気が感じられて懐かしさを感じると同時にワクワクしました。
その他の冒険パートでもシリアスの中に所々コミカルな場面が出てくる事が多く、それが丁度良い
息抜きになりましたね。
コミカルな場面での挿絵は絵柄がギャグという訳ではありませんが、文章と合わせると自然と
ギャグっぽく見えるのが不思議です。
しかし、戦争パートの雰囲気は相変わらず重く、とても緊迫しています。
ただ、その中にも大きな流れの変化があった事は確かです。
物語もとうとう大詰めとなってまいりました。
奇跡と絶望が入り混じる壮絶な戦いがどのような終わりを迎えるかは想像もつきませんが、
物語は確実に終わりへと近付いています。
この巻は勇者デュアンとその仲間達が繰り広げる冒険譚の終わりには欠かす事の出来ないものです。
14年間続いたシリーズの終幕を見届けたいと思う方は、その準備の為に14巻を読んでみては
どうでしょうか。
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