Author : 椎名 軽穂
Total Page : 205
Publisher : 集英社
Publication Date : 2006-05-25
君に届け 1 (マーガレットコミックス (4061))
>> 人気なので読んでみた
期待していた分、拍子抜けしまった。
唯一目新しいキャラ設定と思われる主人公も
10年前に出版された望月花梨の「笑えない理由」と酷似していて、
なおかつこちらの方が設定が生きていて面白かった。
可も不可もない普通の漫画でちょっと残念。
>> 爽子というキャラクターを発明したことが勝因。
実はこの漫画、けっこう危ない魅力に彩られていると思います。
それは、全校生徒、教師も含めての、
けっこうエゲツないイジメの構造を提示しているにも関わらず、
イジメられている当の本人がアッケラカンとしていることで、
なんだか読者が救われた気分になってしまうということ。
さらにイジメる側も「風早が言うならそうなんだろう」みたいな感じで、
実にアッケラカンと前言を撤回する風通しの良さがそこここに溢れています。
本当にイジメられた経験のある人間だったらとてもじゃないけど信じられない世界でしょう。
ただ、これは都合のよいフィクションだと割り切ることさえ出来れば、
爽子の健気さが、あまりにもいじらしくて、胸が締め付けられて、涙が止まらなくなるかもしれません。
このキャラクターの持つ存在感は、漫画史に残るほどの強度を誇るといってもおおげさではないと思います。
>> 素敵な漫画
全体に登場人物がみんな潔くて気持ちいいです。
大人になって遠く忘れてしまったプラトニックな恋を、
もう一度思い出させてくれる素敵な漫画です。
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